2026.09.18

第一章|まず、自分の仕事に問いを立てる。/ 04なぜ、「人」を中心に置くのか。

なぜ、「人」を中心に置くのか

事業をつくるのは、結局、人だから。

これを書きながら、自分の中を探っています。なぜ私は、こんなにも「人」にこだわるのか。まだ、うまく言葉になっていません。とりあえず、過去を振り返るところから始めてみます。

私は以前、人を雇う立場でした。零細企業ながら、できる範囲でオフィスをかっこよく整え、福利厚生も充実させました。そうすれば、チームのモチベーションは自然と上がるはずだと思っていたからです。設備や制度を良くすること。それが、経営者としての自分の役目だと考えていました。

でも、それだけでは足りませんでした。何が足りなかったのか、当時の私には分かりませんでした。

何が足りなかったのか

今、改めて考えてみると、足りなかったのは、環境の良さではなく、「この会社の未来が、楽しそうかどうか」だったのかもしれません。まだ、これも仮説です。断定するには、少し自信がありません。

どれだけオフィスが快適でも、福利厚生が手厚くても、その先に見える景色にワクワクできなければ、人の心は離れていく。逆に、環境が多少不便でも、代表自身が本気で動いている姿に、人はついてきてくれることがある。そんな気がしています。人が本当についていくのは、制度ではなく、代表である自分自身の行動力や、人間的な魅力の方だったのではないか——今、そう思い始めています。

だとすると、商品より先に

もしこれが本当なら、一つ気づくことがあります。商品やサービスを磨くよりも先に、そこで働く人たちが幸せかどうかの方が、大切なのではないか、ということです。

どんなに優れた商品も、どんなに洗練されたプロモーションも、それをつくり、届けるのは人です。その人たちが、自分の仕事に納得していなければ、表面をどれだけ整えても、いずれどこかで綻びる。逆に、そこで働く人が自分の仕事に誇りを持ち、未来にワクワクしていれば、それは商品やサービスの端々に、自然とにじみ出るはずです。

だから、プロモーションをデザインする前に、まず「その会社で働く人たちが、今、幸せかどうか」を問うてみたい。今の私は、そう考えています。これは、きれいごとを言っているつもりはありません。自分自身が、経営者として一度、そこを見誤った経験があるからです。

まだ、答えは出ていません

あらゆるサービスは、人が考え、人が使います。そして、そのサービスを支えているのは、日々そこで働く人たちの心の状態です。この仮説が正しいのかどうか、私はまだ検証している最中です。だからこそ、「人」を中心に据えて、これからいろいろな会社に、実際に問いを立てにいこうと思っています。

——では、それはコンサルティングとは何が違うのか。次回は、その話を書きます。